熟成古酒の楽しみ方

基本的には熟成温度で飲むことをお勧めしています(濃熟:常温、淡熟:低温など)。また、また、慌てて飲んだり、すぐに注ぎ足したりせず、ぜひ、ゆっくりと、ゆったりと味わって下さい。熟成古酒は時間の経過や温度変化による味わいを楽しむことのできるお酒です。

熟成古酒の魅力

熟成古酒の楽しみ方

  • 美しく輝かしい色調
  • 甘く独特な熟成香(風格のある奥深い香り)
  • 口に含んだときのやわらかさ
  • 飲み込んだ後の余韻を長時間楽しめる

まず、熟成古酒をグラス(少し口のすぼまった大きめのものが良い)に注ぎ、光に透かして、輝く色の美しさを見ます。次にグラスを揺らしながら鼻に近づけ、独特の香りを確かめ、口に含みます。優しい口当たり、香りとハーモニー・ボリューム感が豊かに広がり、変化を見せながら余韻のある味わいが伝わってきます。

熟成古酒の魅力は、まず色の美しさです。酒の造り方、熟成のさせ方によって淡い黄金色から琥珀色、ルビーの濃い赤まで、グラスの中でキラキラと輝きます。

香りは、甘く独特な熟成香(風格があり奥深く、高貴な香り)があり、グラスに注いでからの変化も楽しめます。

酸味、甘味などの調和が取れたその味わいは非常に深く、口に含んだ時のやわらかな広がりと、飲み込んだ後の余韻を長い時間楽しめるのは熟成酒ならではの醍醐味です。また、料理との相性も和食に限らず、中華・西洋料理などにもよく合う酒です。

美味しい温度、酒器、その他の飲みかた

美味しい温度と酒器

長期熟成酒は、造り方、熟成温度の違いで淡熟・中間・濃熟タイプに大別されます。淡熟タイプは、吟醸酒の特徴を残していますから冷して(10~15℃)、但し、冷しすぎは禁物です。濃熟・中間タイプは、一般的には室温ですが、その個性と好みに合わせて少し冷やした状態や、ぬるめのお燗(42℃)で素晴らしく豊かな味わいの酒になります。

酒器を変えることででも、味わいが変化いたします。コップ、お猪口、ぐい呑み、ワイングラス、それぞれに香りや味わいが異なります。まずは、その中でも、色つやをしっかり確認でき、芳醇で濃厚な香りをたっぷり楽しめるワイングラスをお勧めします。

また、ぬる燗のほか、ハイボール風のソーダ割り、熟成古酒を使ったカクテルなど、様々な呑み方がございます。皆さま自身の楽しみ方を見つけていただき、熟成古酒をお楽しみ下さい。

自家熟成古酒(My古酒)のススメ

保管状態を保ち時間さえかければ、ご自宅でも日本酒を熟成させることができます。長期熟成酒研究会会員の中には、自宅で数多くの熟成古酒を保管している会員もおります。ここでは、そのノウハウを少しだけ公開。皆さまも、熟成古酒を造ってみませんか?

まず、日本酒の種類により出来上がる古酒のタイプが違うことを理解し、酒を選びます。

  • 純米酒・本醸造 → 濃熟タイプ
  • 大吟醸酒・吟醸酒 → 淡熟タイプ

いずれの場合も無濾過のものがお勧めです。出来れば生酒は避け、火入れ酒が良いでしょう。多少甘口で酸度のあるものの方が内容物が多く味の変化が楽しめます。

酒に良くないのは紫外線です。新聞紙で包んだり、箱に入れてUVカットし、立てて保存します。いつ保管を始めたか、年月日などを書いたシールを貼っておきます。保管開始日の新聞紙などで包むと、開ける時に当時の出来事が懐かしく楽しめます。遮光性、保温性、吸湿性の面からも、新聞紙は非常に優れた梱包財です。

次に、日本酒の種類により、保管の仕方・保管の場所を考えます。

  • 純米酒・本醸造(濃熟タイプ)は常温保管で、棚の隅やクロゼットの中などが良いでしょう。
  • 大吟醸酒・吟醸酒(淡熟タイプ)は、最初の1年間は、冷蔵庫の中など4度くらいの低温で寝かせ、1年過ぎたら15~18度くらいの場所に移します。
濃熟型 淡熟型
種別 純米酒・本醸造
(精米歩合が比較的低い)
吟醸酒
(精米歩合が高い)
酒選びの注意点
  1. 酸度の高いものを選ぶ。
  2. 生酒よりは火入れ酒の方が良い。
  3. 無濾過の方が良い。
熟成温度 常温 初め1年は冷蔵庫など4℃位、
その後15~18℃へ。
貯蔵場所 棚、クローゼット、押入れ 冷蔵庫、冷暗所
貯蔵の注意点 紫外線は大敵!新聞紙に包む、箱に入れるなどの対策を。

純米酒・本醸造(=濃熟タイプ)の常温タイプは、一般的に約3年ほどで劣化現象が止まって熟成に向い、7~8年で飲み頃となります。淡黄色から、琥珀色、赤褐色へと色の変化が楽しめ、さらに20年もすれば「解脱」し、冷やからぬる燗まで楽しめます。(熟成古酒が、およそ熟成10年~20年の間に、色つや、香り、味わいの面で総合的に劇的な変化を遂げることを、長期熟成酒研究会では「解脱」と呼んでいます)

大吟醸酒・吟醸酒(=淡熟タイプ)は、熟成しても色の変化が少なく、うっすらした淡黄色になる程度ですが、12~13年で飲み頃を迎えます。冷ややオンザロックなどでおいしく楽しめます。

自家熟成古酒(My古酒)用の商品

長期熟成酒研究会では、家庭で手軽に熟成させる専用の商品を用意している会員蔵元も数々あります。誕生祝、結婚祝など贈答品として、非常に喜ばれております。

自家熟成古酒

左から順番に・・・
㈱南部美人「Allkoji」、下越酒造㈱「時醸酒」、(資)白木恒助商店「未来へ」
㈲南部酒造場「悠久の眠り」、㈱本田商店「千里馬」、利守酒造㈱「酒一筋 全麹」