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梁井顧問連載コラム:熟成古酒の魅力(連載中)
第10回:My古酒の楽しみ方(3)
長期熟成酒研究会顧問 梁井宏
2012年10月26日(金)
2.自家熟成酒
先にも書いたとおり、値段が高いのが玉にキズの熟成古酒を自分で創ってしまおうという発想です。もちろん酒造免許を持たない個人が、米から酒を造ることはできませんが、すでに酒として売られているものを手に入れ、それを自分で熟成させるということです。
熟成古酒には淡熟タイプ、濃熟タイプがありますから、自分の好みでどちらかの酒を選びます。淡熟タイプは中に含まれる成分が少なく、したがって、長期間熟成をさせても大きく変わることはありません。濃熟タイプは中に含まれる成分が多ので、熟成が進むとともに大きく変わります。
それぞれのタイプの見分け方は
○淡熟タイプ
主に吟醸酒になりますが、長期間熟成をさせると吟醸酒のフレッシュでフルーティな香は消えますから、アル添吟醸の香がぷんぷんしたものよりも、香はおとなしくて、味のある純米吟醸をお薦めします。
その見分け方は、日本酒度が±0からマイナスより。酸度は1.4など吟醸酒としては多めの方が期待できます。
あまり大きな変化は期待しないので、吟醸酒のよさを失わない程度の低温 (18度以下程度、冷蔵庫などは温度が低すぎるので、熟成が進むスピードが遅くなる)で。
フレッシュさが命の鑑評会などで金賞を取った大吟醸酒は、熟成が進むと、全く期待はずれの酒になりがちですから、そのような酒は避けたほうが無難です。