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熟成古酒の会2012
日 時 | 2012年11月16日(金) 15時00分~19時00分 |
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場 所 | 日本酒造会館 8階 大会議室 (東京メトロ銀座線虎ノ門駅より徒歩3分、JR・都営地下鉄・ゆりかもめ新橋駅より徒歩10分) |
概 要 | 熟成古酒の製造と貯蔵熟成方法に関する講演と、試飲会・熟成古酒蔵元との懇親会です。 以下、当日の進行予定です。 14:30 開場(若干お待ちいただく可能性もあります) 15:00 「熟成古酒の会」開始 講演 「清酒の熟成に関与する香気成分とその生成機構について」 講師 独立行政法人酒類総合研究所 品質・安全性研究部門 主任研究員 磯谷敦子氏 16:00 質疑・応答 16:45 「熟成古酒の会」 熟成古酒試飲会開始 19:00 閉会 |
入場料 | 一般 2,000円(税込) |
主 催 | 長期熟成酒研究会 |
協 賛 | なし |
2012年11月16日、西新橋の日本酒造会館にて、「熟成古酒の会2012」を開催いたしました。参加者は総勢80名ほどでした。
磯谷講師による講演
まず、独立行政法人酒類総合研究所 品質・安全性研究部門 主任研究員の磯谷敦子氏より、「清酒の熟成に関与する香気成分とその生成機構について」と題してご講演いただきました。
清酒を長期間放置した際の香りの成分の特定の話から、俗に言う「老香」の主成分DMTS(ジメチルトリスルフィド:Dimethyltrisulfide)が清酒の中で作られる仕組み、また熟成香の主成分ソトロン(sotolon)が作られる仕組みなど、非常に多岐に渡るお話をしていただきました。
その他にも、炭濾過が熟成に与える影響や、仕込水中の微量成分が熟成に与える影響など、まだまだ研究途上のようですが、とても興味深い、内容の濃い一時間でした。
その後は質疑応答。来場者の方々から次々と鋭い質問が発せられ、磯谷講師が一瞬ですが答えに窮する場面も。参加者の皆さんの熟成古酒への関心の高さが伺われました。
磯貝講師には、DMTS、ソトロン溶液のサンプルまでお持ちいただきました。それぞれの香りを確認しましたが、DMTSは鼻の奥を刺激する揮発性の不快な香り、ソトロンは落ち着いた甘みを想像させる深い香りに感じられました。
熟成古酒試飲会
およそ40種類の熟成古酒の試飲会では、テーブルに熟成古酒を置き、参加者の皆さんに各テーブルを回っていただく方法で試飲を行いました。各テーブルに陣取る蔵元の説明を聞きながら、じっくりと、納得いくまで試飲されていました。
会場には、熟成古酒は初めて、という方も多くおられたようです。蔵元から直に熟成古酒についての説明を受け、実際に多種の熟成古酒を口に運び、熟成古酒に目覚めた方もいらっしゃったかもしれません。
今回は、熟成年数の長いものに関しては試飲を有料としました。目玉は、「達磨正宗」醸造元より出品いただいいた、「達磨正宗 純米 1979」と「達磨正宗 吟醸 1976」。30年以上前の熟成古酒ですが、「達磨正宗 吟醸 1976」は透き通った鮮やかな杏色。薄い桃色に近いかもしれません。吟醸香が複雑に変化して、まるでイチゴのような瑞々しい香り。とても36年前のお酒だとは思えませんでした。
「参年仕込豆味噌販売 はと屋」さま(愛知県西尾市)から豆味噌や味噌関連の食品を、「スクーナー」さま(東京都中央区)から数々の鯨肉料理を、それぞれご提供いただきました。ありがとうございました。